

入浴の意義から清潔保持に関する基礎知識を学ぶ実習です。医学的な基本知識の習得から始まり、障がいや疾患による個別の対処方法、麻痺が起きている方へのサポート方法など「お風呂」に関する学びは多岐にわたるものです。私たちが入浴時に何気なく行っている動作や入浴の効果の中にも改めて学ぶことが数多くあり、新卒たちも得られたものが多くあったようです。
以下、日報からの抜粋です。
(介護補助)利用者一人ひとりの個別性に応じた支援の重要性についても学んだ。その人の生活歴や身体機能、好みに配慮し、できることは自分で行ってもらうことで自立支援につなげる姿勢が大切だった。身体に触れる部分の温度にも注意が必要で、湯の温度は熱すぎず冷たすぎず、心地よく感じられるよう配慮する必要があると感じた。また、風呂場の危険性についても理解を深めた。滑りやすい床、ヒートショック、転倒や溺水など、入浴中の事故には注意が必要だった。入浴前の環境整備と、入浴中の声かけや動作の見守りが安全確保に直結することを実感した。
(音楽療法士)入浴介助の基本として、①声掛け②食事の前後の入浴は避ける③入浴前のバイタルチェック④全身の観察⑤安全の確保⑥プライバシーの配慮⑦できることは自分でしてもらうと学んだ。声掛けの際にはネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉をかけることが大切なのだと改めて学ぶことができた。介護の現場では、食事や入浴の場面で事故が起こりやすいと学んだため、利用者様だけでなく介護者の安全も確保する必要があると考えた。
(医療事務)片側麻痺の場合の衣服の着脱方法を学んだ。実際に右側が麻痺していると想定した状態で着脱を行ってみたが、脱ぐときよりも着る方が難しいと感じた。また、今回はゆったりしたシャツを使用したためそこまで苦労することはなかったが、ストレッチ素材ではないものや、体のラインに沿ったピッタリした衣服は着脱が困難だと思った。そのため、麻痺などで身体が不自由な方は身体の制限に加えて着れる衣服が限られるという服の選択にも制限がかけられているのではないかと考えた。多少の制限がある中で少しでもその人の好みを優先できるよう、自立支援の考えを強く持っていたいと思った。